たばこ税と値上げ

posted by 2020.08.5

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 JTの発表によると「メビウス」の値段が10月から50円上がって、ひと箱540円になるそうです。

「メビウス」はかつては「マイルドセブン」として売られていた銘柄で、国内の紙巻きたばこ販売本数の約3割を占めるJTの主力ブランドです。
この値上げは10月1日からたばこ税が1本あたり1円増税されることに伴うものです。

 現状ではひと箱あたり309.4円が税金なので、比率にすると63.1%が税金、つまり20本のうち13本は税金を吸っていることになります。
メビウスはマイルドセブンだった1985円には200円で売られていましたが、当時も56.7%が税金であり、JTが値上げで儲けているのではなく増税に合わせて値上げされてきた歴史があります。
6割以上が税金と重い負担ですが、ヨーロッパでは7割以上の国が多く、デンマークのように85%なんてところもあるので、日本もまだ上げる余地があると考えられています。

 

 値上げされると本数を減らしたりやめたりする人もいるでしょうし、税収面ではどう影響しているのでしょうか。
たばこ税と一口に言っても、国税である「たばこ税」と「たばこ特別税」、地方税である「道府県たばこ税」と「市町村たばこ税」から構成されていて、合計の税収は1985年は1.75兆円、2018年は1.98兆円で増加しています。
消費税1%当たりの税収が約2.1兆円ですので、それに匹敵する大きな税収と言えます。
1箱あたり1000円を超えるとたばこをやめるというアンケートもありますが、理論上は2000円ぐらいまでは税収が減らないという説もあります。
値上げと健康への意識から喫煙率は年々下がっていて、1985年では男性64.6%、女性13.7%でしたが、2018年では男性27.8%、女性8.7%と大幅に低下しています。

 

 今年の4月から改正健康増進法が施行され、原則室内での喫煙が禁止されています。例外として、喫煙専用室、バーやスナック、小規模な飲食店など決められた場所のみ喫煙が可能です。
たくさん税金を払っている割には肩身は狭くなる一方で気の毒な気もしますが、さらに悲報が…。
2021年10月からはたばこ税がさらに1本あたり1円増税されることが決まっていて、来年も同程度の値上げが予想されます。
愛煙家にとって辛い状況は続きそうです。