休業支援金・給付金の概要

posted by 2020.07.20

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 新型コロナウィルス感染症対応休業支援金・給付金の申請受付が7月10日から始まっています。
似た名前が多くややこしいですが、この制度は分かりやすく言うと雇用調整助成金を従業員本人が申請するものです。

 会社指示で休業した場合、労働基準法上は休業手当を支払う義務がありますが、何らかの理由でそれが支払われない場合の労働者の生活安定及び保護の観点から設けられた制度です。
会社がしてくれない理由としては、休業手当を支払ってから雇用調整助成金をもらえるまでの時間差分の資金繰りが苦しいことや雇用調整助成金の手続きがあまりに複雑で事務的の困難といったことがありました。
その後、雇用調整助成金の手続きが大幅に緩和され、入金までのタイムラグも短縮しているようなので、休業支援金・給付金を使う場面は当初の想定よりは少なくなっているのかも知れません。

 

 まずは概要で制度の全体像を見ていきます。

1.対象者

① 令和2年4月1日~令和2年9月30日までに事業主の指示により休業した中小企業の労働者
② ①にかかる休業手当を受け取っていない。

 

2.支援金額

(休業前の1日当たりの平均賃金✖80%)※ ✖ 休業日数

1日当たり支給額は11,000円が上限。雇用調整助成金の上限が15,000円なので約73%に相当。

 

3.申請方法

① 郵送(オンラインは準備中)

② 必要書類
・申請書
・支給要件確認書 ※
・本人確認書類
・口座確認書類
・休業期間開始前賃金及び休業期間中の給与を証明できるもの

※事業主と労働者両方の署名が必要。事業主が押してくれない場合は空欄でも可。その場合は労働局が職権で事業主に報告を求めるが、回答があるまでは審査できないので支給まで時間はかかる。

 

 支援金については11,000円(賃金✖80%)が上限で、雇用調整助成金の15,000円(賃金✖100%)より低くなっています。
休業手当を100%で払ってくれる会社と比べると確かに少ないですが、労働基準法上は60%以上支払えばいいので、60%と比べるとこの休業支援金・給付金は80%(上限比なら73%)もらえるので、労働者の手取りは多くなります。

 制度の趣旨としては得な方を選ぶというのものではなく、原則は雇用調整助成金であり、労働基準法上は休業手当を支払う義務があることをHP上でも謳っていますが、資金繰りの都合などやむを得ない理由があれば認めるというスタンスであると考えられます。

 

 次回は具体的な手続きについて見ていきます。