建設中の相続税評価 ①

posted by 2019.09.30

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 相続対策でマンションやハイツを建築することがありますが、不幸にも建築中に亡くなってしまうこともあります。
その場合、当初想定していた節税効果はどうなるのでしょうか。

 

① 借入金

 建築資金の一部をすでに借り入れている場合は、債務として確定しているため、相続税計算上の債務として控除されます。

 

②  建物

 当初想定していた相続税効果としては、(A)固定資産税評価による評価減(B)貸すことによる借家権分の評価減があります。

 

(A)固定資産税評価による評価減

 たとえば1億円で建物を建築した場合、建築翌年に固定資産税評価額がつくと、5000~6000万円に収まることが多いので、現金で持っているのに比べると大幅に圧縮されます。
 これが建築中の場合には、固定資産税評価は当然まだつかないので、評価減はありません。
 ただし、すでにかかっている費用に関しては、建築後の評価とのバランスも考慮して、「投下した費用原価×70%」で評価されます。

 

(B)借家権分の評価減

 賃貸物件であれば、「固定資産税評価×(1-30%)」で評価されます。
これは貸していることによる拘束部分を考慮しているためです。
 これが建築中の場合には、実際に貸しているわけではないので、その分の評価減はまだ発生しません。

 

 土地に関しては、ちょっと複雑になるので、次回へ続きます。