税金の滞納額と消費税

posted by 2019.08.8

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 国税庁の発表によると2018年度末の国税滞納額は前年度より4.8%減って8118億円だったそうです。
ものすごい金額のように思えますが20年連続の減少で、ピークの1998年末の3割以下になっています。
繰越額で最も多いのは所得税(3631億円)ですが、新規発生額で最も多いのは消費税(3521億円)です。

 利益に課税される所得税や法人税と違い、消費税は資金繰りに入り込んでしまいますし、赤字でも発生するため滞納は多くなりがちです。
10月に予定通り10%に増税されると、納税額は単純に2割増えるので資金繰りには要注意です。
過去の推移を見ても、5%になった1997年、8%になった2014年の翌年には消費税の新規滞納額は一気に増えています。

 

 では消費税の納税に対してどう対処すればいいのでしょうか。

① プールしておく

試算表も決算書も税抜きで考えて、納税予定額を別口座にプールしておくのが正攻法です。
いくらプールしておくかについては、試算表から納税予定額(仮受消費税-仮払消費税)を計算するか、簡易計算(売上げの何%や前年の1/12など)により決定します。

 

② 中間申告する

予定納税の義務がなくてもあえて「任意の中間申告制度」により払ったり、仮決算による中間申告で実額を払う方法もあります。

 

③ 節税する

消費税何とかなりませんか、という質問もよくいただきます。
年々節税策にフタがされていくので方法は限定されますが、なくはないです。
例えば分社して免税や簡易課税を狙う、給与を外注費に変えるといった方法はありますが、節税ありきで経営を歪めると業績に悪影響が出たり、安易な節税で税務署に否認されることもあるので注意が必要です。

 

 なおどうしても払うのがしんどい場合には分割払いの方法もあります。
何も手続きしなければ延滞税は最初の2ヶ月が2.6%で3ヶ月目から8.9%(2019年)に跳ね上がりますが、換価の猶予申請をして1年以内に分割払いすれば1.6%程度に軽減されます。