2019年路線価

posted by 2019.07.3

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 夏と言えばビールでもプールでもなく、路線価の季節です。
今年も7/1に路線価が発表されました。
ここ5年の全国平均▲0.4%⇒+0.2%⇒+0.4%⇒+0.7%⇒+1.3%と上昇基調にあります。

 そもそも路線価とは何かと言うと”道路に面した真四角の土地の1㎡あたりの価格”で相続税や贈与税の土地評価などに使われています。。
全国39万2千ヶ所を1月1日時点で調査しており、時価(公示地価)の8割をメドに売買実例も考慮して金額を出しています。

 今年の路線価は次のような特徴があります。

<全国>

・トップは34年連続で東京・銀座にある「鳩居堂」前の銀座中央通りで1㎡あたり4560万円。上昇幅は前年より縮小。

・前年から引き続き訪日客増加の恩恵を受ける地域で上昇。都心だけでなく石川(金沢)、大分(別府)、静岡(熱海)などで上昇。

高齢者が病院や買い物に便利な都心へ移り住む傾向から秋田や高知などの地方都市で上昇。

・人口減の影響で福井、和歌山で下落幅拡大。鳥取や岡山も減少続く。

・都心部では物件価格の高騰と物件の少なさから不動産取引額は減少。

 

<近畿>

・近畿トップは36年連続で「阪急うめだ本店」前で1㎡あたり1600万円

・最大の上昇はインバウンドの影響で祇園四条駅周辺で+43.5%
 2位は新線の開通した新大阪駅周辺で38.9%上昇。
 再開発の進む三宮センター街は25%上昇。

キタでオフィス需要が旺盛で空室率も1.67%と低い。2022年に阪神の上が完成するまでは需給が逼迫。

・ミナミもインバウンドで投資が活発だがキタとの価格差は拡大。

・県別では京都+3.1%、大阪+1.9%、兵庫0.0%、滋賀▲0.2%、奈良▲0.3%、和歌山▲1.3%

 

 従来から都市部と地方の二極化という傾向がありましたが、昨今は地方でも観光による集客や駅前の利便性が高い地域では上昇しており、地方の中でも二極化が見られます。

 オリンピックや万博などのイベントも路線価の上昇をしばらく後押ししそうですが、投資額から見ると過熱感は一服しているようです。