新紙幣と税金

posted by 2019.04.12

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 先日、新紙幣の発行が発表されました。
紙幣の絵柄に採用された渋沢栄一氏、津田梅子氏、北里柴三郎氏の業績が連日テレビで取り上げられ、盛り上がっています。
令和時代に合わせての変更かと思いきや、変わるのは5年後の2024年とのことで若干拍子抜けしましたが、このタイミングで発表したことには人心を一新する狙いもあるようです。

 

 発行の目的は偽造防止とされていますが、景気対策タンス預金対策の狙いもありそうです。

 景気対策としては自動販売機やATMの刷新で1.6兆円の経済効果があるという試算もあり、一種の公共事業と言えるかも知れません。

 タンス預金に関しては新札発行の半分にあたる50兆円が眠っていると言われています。
旧紙幣であっても当然使い続けることができますが、新紙幣に換えようとする心理も働くため、市場に何%かは出てきます。
お金が動けば消費にまわる部分もあるため、その点でも経済効果は期待できます。

 また相続税の観点からもタンス預金を表に引っ張り出したいという意図もあります。
タンス預金は相続があってもばれないと思われがちですが、そう甘くはありません
なぜ見つかるかというとタンス預金といえども最初は預金の引き出しや資産の売却などお金の動きがあるためです。
さらに、特殊なことがなくても税務署は毎年の所得税の申告内容から「お金はこれぐらい残っているはず」と”アタリ”をつけています
それが預金や株などの形で残っていないとなると「現金で持っているのではないか」という話になり、タンス預金の存在を想定します。

 

 映画『マルサの女』のように畳を剥がして、現金や金塊を探すような話は巨額の脱税が想定されない限り、通常はありませんが、隠蔽となると罰金も40%と高いのであまり甘く見過ぎないようにしましょう。