保険と節税

posted by 2019.03.12

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 2月中旬に節税のための保険が売れなくなる、というニュースが広がり、噂レベルの話かと思いきや、あっと言う間に本当に売れなくなりました。

 法律や通達を変えるのは時間がかかるんですが、今回は国税庁が規制する方針を保険会社に伝えたことにより、各社が販売自粛に至りました。
保険商品は金融庁の認可を得て販売されるのですが、その認可の隙をついて過度な節税につながる保険を売りまくったことが、国税庁から睨まれたようです。

 

 規制された主な保険は、中小企業経営者向けの定期保険です。
定期保険は保証期間が限定される、いわば”掛捨て”の保険なので通常は解約返戻率は0~30%程度、高いものでも50~60%程度に留まります。
これを保険料を構成する付加保険料(保険会社の事業コスト)を吊り上げることで、解約返戻率を85%程度まで上げています。
それでも15%は目減りするので、損をしているのですが、全額経費になるので保険料を払った年の法人税が軽減されます。
節税効果を含めた実質返戻率は130%近くになることから爆発的に売れました。
国税庁としては税収を失うので当然面白い話ではなく、販売が始まってから実質2年という短期間で規制されることとなりました。

 

 今後の注目としては、

・過去に販売された節税保険の今後の処理はどうなるのか?

・規制はどのラインで引かれ、それに対応する保険は開発されるのか?

という点になります。

これらの点は明らかになった時点で取り上げるとして、そもそも保険は節税になるんでしょうか。

そのあたりを次回以降見ていきたいと思います。