昨日の続きで小規模宅地等の増税について見ていきます。
貸付用の土地についてはこれまでは亡くなった瞬間に貸していれば50%減ができましたが3年超貸し付けるという条件が付きました。
<改正後も50%減できるケース>
① 相続開始前3年超貸し付けている。
② その土地は3年以内だが他で事業的規模で貸付事業を行っている。
③ 平成30年4月1日前から貸し付けている。
少し分かりにくいので補足します。
① 相続開始前3年超貸し付けている。
亡くなった時点から過去3年をカウントします。
② その土地は3年以内だが他で事業的規模で貸付事業を行っている。
元々それなりの規模で不動産貸付業をしている方で、たまたま亡くなる3年以内に貸し始めたものがあったとしても意図的な節税ではない、という判断です。
”それなりの規模”とは正確には「事業的規模」(5棟10室基準)と言われるものです。
具体的には独立家屋で5棟、ハイツやマンションなら10室、駐車場なら50台あれば事業的規模に該当します。
組み合わせもありなので、独立家屋2棟、ハイツ4室、駐車場10台でもOKです。
③ 平成30年4月1日前から貸し付けている。
増税の改正でもあることから法案成立前の3月31日時点で要件を満たしていれば50%減は可能です。
なおこの経過措置には②のように事業的規模は求められていないのでマンション1室、駐車場1台でも適用はあります。
従来から事業的規模で貸付業を行なっている方には影響のない改正ですが、そうでない場合は50%減がなくなるのでかなり税負担が増えることになります。
今回の改正は不動産貸付業に関する増税なので、自身が商売をしている会社に貸している場合には影響はありません。
次回は商売をしている場合の特定同族会社事業用宅地等と特定事業用宅地等について見ていきます。