給与とは ② 調査編

posted by 2018.11.27

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 昨日の続きで税務調査において広い意味で”給与”とされるものを見ていきます。
項目としては次のようなものがあります。

① 現物支給給与のうち非課税とならないもの
② 特定の人への旅行や飲食費用
③ 役員の私的な支出
④ 家族への給料

 

① 現物支給給与のうち非課税とならないもの

通勤手当、創業記念品、食事の支給、社販の値引き、社宅、社員への金銭貸付けなどについては福利厚生として非課税となる範囲がそれぞれ定められており、その限度を超える部分は給与として課税されます。
例えば、通勤手当では月15万円、食事の支給では月3500円といった限度があります。
社宅に関しては固定資産税評価額等から計算した家賃を本人から徴収していれば非課税となりますが、全く徴収していない場合は給与扱いとなります。

 

② 特定の人への旅行や飲食費用

社員に対する会食や旅行の費用負担に関しては、全員に機会があることが原則であるため、特定の人だけの会食や旅行に関する費用は参加者への給与として課税されます。
慰安旅行に関しては、現地4泊5日以内、金額10万円以下、過半数の参加、不参加者にお金を渡さない、などの要件を満たせば非課税となります。

 

③ 役員の私的な支出

個人で負担すべき食事代、別荘や会員権の購入費に関しては給与として課税されます。
特に支払の決裁権がある役員に関しては厳しくチェックされます。
会社としては私的なものではなく、接待や福利厚生に使用している実績を説明して経費の妥当性を主張していくことになります。

 

④ 家族への給料

役員の家族への給料や外注費に関しては内容に応じて判断されます。
勤務実態、職務内容、外注費であれば第3者と比較して妥当かどうかを検討します。
極端な場合は実権のある役員1人への給料として認定されますが、事例としてはよっぽどのケースと言えます。例えば勤務実態がなく、家族ももらっている自覚がなく、資金が役員に還流しているようなケースです。

 

 ①②に関してはある程度形式基準がありますが、③④は個別の判定になるため、指摘されるポイントを押さえて説明できるようにしておきましょう。