給与とは ① 原則

posted by 2018.11.26

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 衝撃的な逮捕から1週間。いろんな情報が錯綜していますが、個別事例はさておき、所得税法上“給与”とはどういうものか確認してみたいと思います。

 

「給与所得とは、俸給、給料、賃金、歳費及び賞与並びにこれらの性質を有する給与に係る所得をいう(所得税法28条)」

 

 当たり前な内容ですが”これらの性質を有する給与”をもう少し掘り下げると、収入金額の定義として「金銭以外の物又は権利その他経済的な利益をもって収入する場合には、その金銭以外の物又は権利その他経済的な利益の価額」とされています。
給料はお金でもらうのが当然ですが、税法上はお金以外の利益として現物支給される下記のようなものも給与に含まれます。

① 物品その他の資産を無償又は低い価額により譲渡したことによる経済的利益
② 土地、家屋、金銭その他の資産を無償又は低い対価により貸し付けたことによる経済的利益
③ 福利厚生施設の利用など②以外の用役を無償又は低い対価により提供したことによる経済的利益
④ 個人的債務を免除又は負担したことによる経済的利益

 

 ただしこれはあくまで原則論で、仕事の性質上不可欠で会社の業務遂行上の必要から支給されるもの、換金性に欠けるもの、評価が困難なもの、もらう側に選択の余地がないものなどについては、非課税扱いや減免があります。
代表的なものとしては、通勤手当、創業記念品、食事の支給、寮の貸与、忘年会や慰安旅行の参加費、災害や病気の際の無利息貸付けなどがあります。

 逆に一般常識から見て度を過ぎるものには課税されますし、意志決定権のある役員についてはより厳しく判断されます。

 

 実際の調査でどういう内容が給与の論点になるかは次回見ていきます。