個人事業の事業承継

posted by 2018.11.5

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 個人事業を法人化する理由としては節税が大きいですが、事業承継も理由の1つとなっています。
法人にしてしまえば”相続”というものがなくなるので相続税がなく、組織化することで事業が継続しやすくなります。
その意味では法人と個人では事業承継の面で”格差”があったのですが、その格差は是正される方向です。

 

<個人版事業承継税制>

 2019年度の税制改正で個人版事業承継税制の創設が検討されています。
個人事業主が子供や孫に事業を引き継ぐ場合に、不動産や機械などに係る贈与税、相続税を猶予する仕組みです。
10年間の期間限定措置にする点、承継計画に関して都道府県の認定が必要な点など法人の事業承継税制とよく似ています。
個人と法人の違いとして事業とプライベートの区分などクリアすべき点はありますが、使いやすい制度になるよう期待されます。

 

<許認可の生前承継>

 飲食店、酒屋さん、クリーニング屋さん、理美容室を営んでいて相続があった場合には簡単な申請書の提出により許認可を継続できます。
ところが生前に譲る場合にはそのような手続きはなく、一から手続きが必要で手間と費用がかかっています。

 そこで生前に引き継ぐ際も相続時と同じように簡易な手続きで済むよう改正が検討されています。
業界ごとに法律や諸官庁が違うため、時間はかかりそうですが、2019年半ばに改革案がまとめられるようです。
子供だけでなく孫や兄弟あるいは従業員にも承継できるよう範囲を拡大することも検討されています。

 

 後継者不足で廃業する事業主も多いだけに、せめて後継者がいるところは事業承継しやすいよう環境を整える方向で改正されます。
改正内容については今後も続報を伝えていきます。