HP制作費は経費とは限らない!?

posted by 2018.07.26

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 ホームページ制作費原則的には広告宣伝費として一括で経費になると考えてきましたが、ちょっと雲行きが怪しくなってきました。
というのも国税庁のHPでの書きぶりがいつの間にか変わっているためです。

 

<以前の国税庁HP>

「通常、ホームページは企業や新製品のPRのために制作されるものであり、その内容は頻繁に更新されるため、開設の際の制作費用の支出の効果が1年以上には及ばないと考えられますので、ホームページの制作費用は、原則として、その支出時の損金として取り扱うのが相当であると考えられます。」

 意味合いとしてはしょっちゅう変わる看板のようなものだし、更新費用もかかるので初期費用は高額であっても一括の経費でOKでした。

 ただしプログラム的な要素が埋め込まれていれば、その部分は『ソフトウェア』として5年で償却することになります。
プログラム部分は機能別に分けて30万円未満になれば少額減価償却資産として一括で経費にできます。


・商品データベースの検索機能
・会員としてのログイン機能
・オンラインショッピング
・ネット予約の機能

 

<3/31リニューアル前の国税庁HP>

「通常、ホームページは企業や新製品のPRのために制作されるものであり、その内容は頻繁に更新されるため、開設の際の制作費用の支出の効果が1年以上には及ばないと考えられますので、ホームページの制作費用は、原則として、その支出時の損金として取り扱うのが相当であると考えられます。
 ただし、ホームページの内容が更新されないまま使用期間が1年を超える場合には、その制作費用はその使用期間に応じて償却します。
 また、制作費用の中にプログラムの作成費用(ソフトウェアの開発費用)が含まれるようなホームページについては、その制作費用のうちプログラムの作成費用に相当する金額は無形減価償却資産(ソフトウェア)として耐用年数「5年」を適用して償却することとなります。」

 

 1段落目は前と同じで3段落目は取扱いとしては前と同じです。
よく分からないのが2段落目。
更新せずに使い続けるものは支出の効果が1年以上にわたるので『繰延資産』として5年償却することになります。
理屈としては分からないではありませんが、更新するかしないかは結果論なので、1年間更新しなかったから経費で落としたものをあとで資産計上し直すというのはちょっと現実的ではありません。

 

<3/31リニューアル後の国税庁HP>

 ホームページ制作費に関する記載がどう探しても見当たらないので削除されたようです。
更新しない場合の処理に無理があるから一旦消したのか、ホームページ自体が高機能で高額なものに変わってきているため、取扱いを整理しているところなのかも知れません。

 

 ホームページ制作費はよく出る経費でもあり、重要なものなので今後も引き続きチェックしていきます。

 現状ではWord Pressなどでコンテンツを更新できるもので、複雑なプログラム(データベース機能や自社サイトでの販売機能など)を埋め込んでなければ経費で問題ないと考えられます。