上場株式を持っていると半年に1回配当をもらえたりしますが、中小企業の場合は配当をすべきなんでしょうか。
上場企業は所有と経営が分離されていて、会社を所有する株主は配当と値上がり益が目的です。
経営陣としては株主の意向に応えないと株を買ってもらえないので配当を行ないます。
配当財源となる利益があることが前提ですが上場企業の配当性向は昨年度で平均35%あり、税引後利益の35%を株主に還元していることになります。
これに対して中小企業は所有と経営が一致、つまり経営陣が大株主であることが多いです。
中小企業の配当を考える場合には”分配”と”税金”について考えていくことになります。
<配当と分配>
株主1人=役員1人の会社であれば分配について考える必要はなく、税金の有利不利で判断すればいいと思います。
分配について考えるのは株主に経営陣以外の方がいる場合です。
① 従業員
会社への参画意識を高めるために従業員の方や従業員持株会に株を持ってもらうことがあります。
無償で株を渡した場合は別として通常は株を買ってもらっているので従業員の方も配当で少しずつ元を取りたいはずです。
また株を持っていることで会社を伸ばしていこうと思ってもらうためにも配当による還元は効果的です。
② 取引先
取引先との間でより関係を強化するために株を持ってもらったり、持ち合いをするケースがあります。
持ち合いをしていると配当をもらうばかりというわけにもいきませんので利益が出ていれば配当で還元することも考えることになります。
③ 経営に関与しない親族
創業者が亡くなっていてその奥様や子どもが大株主になっているケースがあります。
経営にはタッチせず役員ではありませんが財産として株を持っている状態です。
安定株主でいてもらうために、また会社の経営方針に賛同してもらうためにも配当で還元することがあります。
次回は経営陣が大株主である場合の税金の有利不利について見ていきます。