電子申告のシステム障害

posted by 2017.06.7

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 今年の1月末、税理士業界ではちょっとした事件がありました。

 1月末というと年末調整からの一連の流れで税務署に合計表を提出したり、市役所に給与支払報告書や償却資産申告書を提出する期限になっています。
提出については電子で行なうものが増えているのですが、地方税の電子申告システムである「eLTAX」が突如つながらなくなりました

 1月末が提出期限だけに間に合うのかどうか焦ります。
紙でも提出はできますがハンコをもらう時間はありません。
役所に電話してみると向こうも混乱しているようで「期限を過ぎても大丈夫」という回答も得られません。
最終的には間に合ったのですが、これで期限を過ぎて罰金でもかかったらどう責任を取るんだろうとは思いました。

 

 さすがにこの状況はまずいと思ったようで平成29年度改正でe-TAXの不具合はやむを得ない理由に該当するものとして期限を延長できることとなりました
具体的にはサイバー攻撃やシステム障害により、期限内にe-TAXを利用して申告等ができない者が多数に上ると認められるときは、国税庁長官が「対象者の範囲」と「期日」を告示し期限を延長する仕組みとなっています。

 なおトラブルのあった地方税については改正はありません。
と言うのも従来から各自治体の条例で期日の延長ができる仕組みとなっているためです。
今回も総務省からの各自治体宛てに「災害等」に該当するものとして期限延長するよう要請があったようです。

 

 手当てはされたものの何が起こるか分からないだけに早めに準備してギリギリの申告はなるべく避けるようにしましょう。