縄伸びとは

posted by 2017.05.30

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 「縄伸び」とは土地の実測面積が登記簿の面積より大きいことを言います。
なぜこんな名前かと言うと土地測量の歴史をさかのぼることになります。

 

 かつて年貢が税金だった時代に検地が行なわれましたが、その際に実際より長めに目盛りを打って(つまり縄が伸びている状態)小さめに測量されていました。もちろん年貢を低く抑えるためです。

 明治に入り年貢は廃止され、地租改正により地価の3%をお金で払うこととなりました。
土地に税金をかけるため測量が行なわれましたが精度は高いとは言えないものでした。
専門家が少ないので素人が行ない、測量技術も未熟であったためです。

 

 こうして検地と地租改正を経た土地台帳が現在の登記簿に引き継がれているため、登記簿より実測面積が大きい「縄伸び」が残ることとなりました。

 縄伸びしている土地に農地が多いのはこのような歴史的背景があるためです。

 また宅地に関しても売買や区画整理により正確に測量されているものもありますがまだまだ割合は低いです。
特に平成17年に不動産登記法が改正されるまでは分筆したあとの残地は公簿のままでも登記できたため、宅地でも大幅に縄伸びしているケースもあります。
元々縄伸びしている土地を分筆して売却する場合、切り離す部分は実測になり、それを繰り返すと残る土地はどんどん小さくなるためです。

 

 ではこのような「縄伸び」している土地を相続した場合どうやって評価したらいいのでしょうか。次回へ続きます。