公道の固定資産税

posted by 2017.03.15

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 福岡の商店街で道路に固定資産税をかけるかどうかがトラブルになっているようです。問題になっているのは買い物客が行き来する商店街内の通路
30年間非課税だったのに今年から3200万円もの固定資産税をかけると予告したことで反発が強まっています。

 もともと国道や県道などの公道には固定資産税はかかっていませんが、個人の所有物である私道には原則固定資産税がかかります
ただし「公共の用に供する道路」であれば非課税になります。

 

「公共の用に供する道路」である私道は次のようなものを言います。

・時間的、物理的に利用を制限していない。

・特定人が物置、車置き場、小売店舗などに使用していない。

・不特定多数に人に利用される幅1.8m以上の通り抜け私道

・不特定多数の人に利用される幅4m以上の行き止まり私道

・幅4m未満の道路に面するセットバック部分で道路と一体になっている。

 

 市町村によって条件は多少異なりますが、公道に近い性質を持つものが該当します。これらの条件に該当するのに固定資産税がかかっていれば市役所と交渉することで固定資産税が非課税になる可能性があります。

 

 なお今回は固定資産税の話でしたが、相続税の評価においても私道には特例があります。
イコールではありませんが固定資産税と考え方は似ています。

① 不特定多数の通行の用に供されている⇒ゼロ評価

② 特定の人だけが使う行き止まり私道⇒30%評価

③ ある宅地専用の通路⇒宅地と一体化して100%評価

 固定資産税ほど厳密な要件はありませんのでケースバイケースでの判断も必要です。

 

 福岡の商店街が何をもって固定資産税の課税要件に該当したのかは分かりませんが、別の通路でも裁判になり、その時は市側が勝訴したようです。
地域活性化の観点からも柔軟な対応が期待されます。