平成29年度税制改正大綱 ⑦法人税の増税

posted by 2016.12.20

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 法人税に関しては研究開発や中小企業支援など減税項目が多いですが、増税となるものもあります。

 

① 中小向け減税の絞り込み

資本金によって税制は大きく変わりますが一番変わるのが資本金1億円の壁です。
資本金1億円以下であれば”中小企業”として、税率が低い、事業税の外形標準課税がない、交際費の損金算入、各種税額控除や特別償却が受けられる、といった特典があります。

 しかし中小企業の特典を受けるためにあえて資本金を1億円以下にして”大企業逃れ”するケースが目立ったため、過去3年の平均所得(儲け)が15億円を超える場合は中小企業の特典が受けられなくなる改正が入りました。
15億円というのは過去10年の大企業の黒字額を基準にしているようです。

どの特典がなくなるかは現段階で全ては分かりませんが、各種税額控除や特別償却は受けられなくなり、事業税の外形標準課税は従来と変わらないようです。

 

② サ高住の割増償却の終了

特別償却や割増償却は時代の要請に合わせて整備されますが、役目を終えたと考えられるものは打ち切りになるものもあります。

サ高住、正式にはサービス付き高齢者向け賃貸住宅については償却費を5年間10~14%割増できましたが、適用期限である平成29年3月31日までの新築分までで終了します。
扱いは小さい改正ですが、割増償却を前提として事業計画を考えている場合は経費が減って法人税の納税額に影響があるので注意が必要です。

 

次回以降は法人税関係の減税項目を見ていきます。