準確定申告と確定申告の違い

posted by 2016.06.29

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 昨日の続きで亡くなった後にする準確定申告と通常の確定申告との違いを見ていきます。

 

・控除が違う

配偶者控除や扶養控除は通常の確定申告では年末時点の現況で該当するかどうか判定しますが、準確定申告では死亡の日現在の所得で判定します。
年の途中の方が所得が少ないので扶養に該当しやすくなります。
また同じ人が準確定申告と通常の確定申告の両方で扶養控除を受けることも可能です。
なお年の途中であっても扶養控除は月割りしないので38万円で変わりません。

医療費控除や社会保険料控除については亡くなった日までに払った分が控除の対象となります。
亡くなった方の保険料であっても死亡後に払った場合は相続人の確定申告で控除します

 

・申告が違う

準確定申告の申告期限は亡くなってから4ヶ月以内なので通常の確定申告の翌年3月15日と当然異なります。
なお準確定申告は電子申告に対応していないため、紙で提出することになります。

準確定申告は年の途中で申告するだけに資料が集まりにくい面があります。
特に年金の源泉徴収票は通常翌年の1月下旬に届きますが、準確定申告の場合は社会保険事務所に依頼しない限り入手できません。
2~3ヶ月かかることもあるので早めに依頼しましょう。

 

・翌年がない

当たり前のことですが準確定申告は最後の申告なので翌年の申告はありません。
事業税は申告の翌年送られてくるので準確定申告の時点で税額は分かりませんが逆算して経費に入れます
事業税は所得(青色申告控除前)から290万円を控除して通常5%をかけるので逆算して未払税金として経費にします。
入れ忘れると2度と経費にするチャンスはないので注意しましょう。
なお事業税の計算上、所得から控除する290万円部分は月割り計算します。

経費にはなりませんが翌年に来る税金として市府民税がありますが亡くなった年は非課税になります。
譲渡があった場合には5%分がまるまる無くなるので税額はかなり減ります。

 

 このように準確定申告と通常の確定申告とでは同じ所得税でも異なる点が多く、準確定申告に特有の注意点もあります。
最後の申告なだけにまちがいなく、経費のもれもないようにしておきたいところです。