過去の国民年金の未納をさかのぼって払うことを”後納(こうのう)”と言いますが、さかのぼれる期間が10月以降、過去10年分から5年分に短縮されます。
もともと後納は過去2年分しかできませんでしたが3年間のタイムセールで「今なら10年分さかのぼれますよ」と実施されていました。
国民年金は25年分払わないと1円ももらえず掛け捨てになります。
例えば今まで払っていない45歳の人が払い始めようと思っても原則20年分しか無理なので「もらえないならやっぱり払わんとこ」となってしまいます。
そこで『過去の分も払うことで25年以上にできますよ、だから払って下さい』というのが後納制度の目的です。
また払った月数が増えるともらえる年金も増えます。
(例)
40年間きっちり払った場合 …月 約 65,000円
25年分ギリギリ払った場合 …月 約 40,630円
1ヶ月分15,590円追加納付…月 約 40,760円
1ヶ月分払って月に130円増えるということは120ヶ月分年金をもらえば、15,590円の元が取れます。
65歳からもらい始めて75歳以降ももらい続ければ追加で払った分の元は取れます。
10年間後納ができる制度は17年4月まで延長する案もありましたが、国会での審議時間が取れないため、当初の予定通りタイムセールは3年で終了しました。
後納制度を使って25年以上の要件をクリアした人は25,000人に上るそうなので一定の救済効果はあったということになります。
なお消費税が上がる2017年4月以降は年金がもらえる最低納付月数が25年分から10年分に短縮されます。
実質4割の人しか払っていないと言われる国民年金。
制度を維持していくために今後も様々な施策をしてもらいたいところです。