令和6年度税制改正大綱 ⑨ 国外事業者の消費税

posted by 2023.12.27

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 税制改正大綱の9回目は国外事業者の消費税への規制です。

 

(1) プラットフォーム課税

① 概要

 デジタルサービスは簡単に国境を超えるので、多くの国外事業者が日本に算入しています。
国外事業者は実態を掴みづらく、特に消費税の捕捉や調査が難しくなっています。
そこで国外事業者ではなく、サービスの基盤(プラットフォーム)を提供する事業者の段階で課税しようとする考え方がプラットフォーム課税です。
プラットフォーム事業者は大手であれば、AmazonやGoogleなどが該当します。

 

② 内容

・プラットフォーム事業者の指定範囲:年商50億円超

・国外事業者が行ったデジタルサービスの提供は使用するプラットフォーム事業者が行ったものとみなす(Amazon等が代わりに消費税を納付)

・プラットフォーム事業者として指定された場合、国外事業者にその旨を通知します。

 

③ 適用時期

・令和7年4月1日以後に行なわれるデジタルサービスの提供

 

(2) 免税及び簡易課税の制限

① 概要

 国外事業者が免税点制度や簡易課税制度を利用して租税回避を図るのを防止するため使用が制限されます。

 

② 内容

<2期目の消費税免税>

・1期目前半の給料が1000万円以下なら2期目免税

⇒国外事業者は給料の判定をしない(1期目前半の売上1000万円超で2期目課税)

 

<資本金基準での免税>

・外国で設立して2年以上経つと資本金1000万円以上でも基準期間の課税売上高0円で免税になってしまう

⇒国外事業者は日本進出時の資本金で納税義務判定

 

<外国親会社の売上も判定に使用>

・国内の大企業子会社は設立1期目から課税。国外収入は判定に使わないので国外大企業の日本子会社は免税使える

⇒国外収入が50億円超なら日本の子会社の1~2期の消費税は免税とならない

 

<簡易課税>

・国外事業者で日本に拠点ないペーパーカンパニーでも簡易課税使える

⇒課税期間の初日に国内に恒久的施設なければ簡易課税使用不可
 インボイスの8割特例も同様に使用不可

 

③ 適用時期

・令和6年10月1日以後に開始する課税期間~