税理士を変える理由 ②

posted by 2023.06.7

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 前回の続きで税理士を変える際の注意点を確認しておきます。

 

1.契約内容の確認

 税理士の顧問契約は期間が1~2年で、自動更新にしているものが多いですが、契約解除に関しては予告期間を設定しているケースがあります。
短い場合は1か月程度ですが、中には半年前というような契約もあります。
契約締結の際はあまり意識して見ていないと思いますが、契約解除の条件をまず確認しましょう。
契約書が特にない場合は2.3か月前の予告で問題ないと思います。

 解約解除の際は表面上はできるだけ穏便に解約しましょう。
思うところはいろいろあると思いますが、資料の回収や残務処理などが残っているので「いけず」をされたら困ります。

 

2.タイミング

 決算完了直後に変更するのがベターです。
決算直前だと新しい税理士が内容を把握する前に決算処理がやってきて正しい処理ができない可能性があります。
決算完了直後であれば、1年かけて内容を把握することができます。

 確定申告時期や3月決算が集中する4~5月など税理士の繁忙期はできれば避けた方がいいかも知れません。

 

3.資料の引継ぎ

 預けている領収書や請求書の原本、源泉徴収簿などを回収します。
期の途中であればその時点までの総勘定元帳や仕訳日記帳も紙またはPDFファイルで出してもらいます。
総勘定元帳や仕訳日記帳がないと新しい税理士は1年分イチから処理することになり、顧問料を二重に払うことになる可能性もあります。
会計データもソフトが同じであればそのまま使えるのでもらっておきましょう。

 ちなみに新旧の税理士が連絡を取って引継ぎを行うことはまずありません。
税理士は人数が多く横のつながりも少ないため、まず知らない人ですし、資料さえあって社長に話が聞ければ旧税理士から引継ぎをしてもらわなくても処理はできます。
ただし、電子申告のIDとパスワードは必要なので、税理士が管理している場合には国(e-Tax)と地方(eLTAX)の両方を聞いておいて下さい。
旧税理士による業務完了後、パスワードは変更します。

 

 次回はもう少しポジティブな話として税理士の探し方や選び方について見ていきます。