持続化補助金の拡大

posted by 2020.04.21

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 小規模事業者の販路開拓等を支援する補助金として「持続化補助金」というものがあります。
コロナ対策で「持続化給付金」という名前がそっくりなものがありますが別モノです。「持続化給付金」月間売上が50%以上減少した場合に法人200万円、個人事業者100万円がもらえる制度で、要件を満たせば必ずもらえます。
これに対し「持続化補助金」公募制で、申請した計画に対して審査があります。過去の制度での採択率は40%~70%で推移していますが、コロナの影響で分母が増えれば確率は下がるかも知れません。

 持続化補助金については従来の制度とは別に、コロナ対策で拡大されるのでご紹介します。

 

1.従来の持続化補助金

① 対象となる小規模事業者

・商業サービス業:常時使用する従業員5人以下
・宿泊、娯楽業 :同上20人以下
・製造業その他 :同上20人以下

・会社、個人事業主、一定のNPO法人が対象。
・医師、個人農家、協同組合、一般社団法人、一般財団法人等は対象外。

 

② 補助額

・補助率:2/3
・補助上限:50万円

 最大で75万円の経費に対して50万円が補助されます。

 

③ 対象経費

・設備投資:機械装置、資料購入費、設備処分費
・広告関係:広報費、展示会参加費
・その他 :旅費、雑役務費、借料、専門家謝金、委託費、外注費

 

④ 取組事例

<地道な販路開拓>
・新たな販促用PR(ウェブサイトでの広告等)
・ネット販売システムの構築
・店舗改装や陳列棚の購入
・新商品開発
・ブランディング専門家への指導助言
・インバウンド向け英語メニューやのぼりの作成

<業務効率化>
・作業導線の確保や整理スペース導入のための店舗改装
・POSレジの導入
・倉庫管理、労務管理、会計ソフトの導入

 

⑤ 公募と段取り

・現在公募中、2次締切は6月5日(金)消印有効。
・3次は10月、4次は2月締切予定。
・商工会議所で相談しながら進めるのがスムーズ。
・経費を使うのは計画が採択されてから。
・実績報告書を提出し、確認が終わってから補助金支給。

 

⑥ コロナによる加点

・コロナにより売上が減少している場合は審査での加点あり。
・市町村で交付される「売上減少の証明書」が必要。

 

2.コロナ特別対応型(補正予算成立後)

① 対象

・小規模事業者の要件は従来と同じ。

・経費の1/6以上を以下のいずれかに投資

A.サプライチェーン既存への対応

顧客への製品供給を継続するために必要な設備投資や製品開発。
例:部品調達困難による内製化、出荷先営業停止に伴う新規顧客開拓。

B.非対面ビジネスモデルへの転換

非対面・遠隔でサービス提供するためのビジネスモデルへ転換するための設備、システム投資。
例:店舗販売からEC販売へのシフト、VR・オンラインによるサービス提供

C.テレワーク環境の整備

従業員がテレワークを実践できるような環境整備。
例:WEB会議システム、PC等を含むシンクライアントシステムの導入。

 

 

② 補助額

・補助率:2/3
・補助上限:100万円

 最大で150万円の経費に対して100万円が補助されます。

 

④ 取組事例

・店内飲食のみだった飲食店が出前のためのWEBサイト構築。
・旅館が自動受付機を導入。

 

⑤ 公募と段取り

・1次の申請開始は4月下旬、締切は5月15日(金)必着。
・2次以降も予定あり。

 

 従来の制度はしっかりした計画を作らないともらえなかったので手間はそれなりにかかりました。
新しいコロナ特別対応型がどの程度採択されるかは予算と緊急時対応との兼ね合いもあり、現時点では分かりません。

 いずれにしても手間はかかりますが、自社の事業を見直す機会にもなりますし、緊急事態宣言中で営業がままらない分、計画作成のための時間は取れるのでチャレンジしてみてはいかがでしょうか。