所得金額調整控除

posted by 2020.01.20

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 2020年から給与所得控除が一律10万円引き下げられましたが、基礎控除も10万円引き上げられたため、通常はプラスマイナスゼロで増税でも減税でもありません。
ただし、給与所得控除には上限があり、年収850万円超の場合は増税になってしまいます。
そこで子育て・介護世帯の場合など一定の給与所得者には上限額の引き下げによる負担が実質的に生じないようにするため、『所得金額調整控除』が創設されました。

 

<要件>
 給与収入が850万円を超える居住者で次のいずれかに該当(給与所得者のみに適用)

・本人が特別障害者の場合
・23歳未満の扶養親族を有する場合
・特別障害者である同一生計配偶者又は扶養親族を有する場合

 

<控除額>
{給与収入金額(1000万円超の場合は1000万円)-850万円}×10%(上限15万円)

 

<特徴>
 扶養控除とは異なり、夫婦の両方が年収850万円を超え、夫婦に23歳未満の扶養親族に該当する子どもがいるような場合は、夫婦の両方でこの控除の適用が可能となります。
1つの事実に対して控除を受けられるのは1人であることが多いので、両方で受けられるのは珍しいと言えます。

 

<給与と年金の場合>
 給与と年金の両方がある場合には、給与所得控除▲10万円、公的年金等控除▲10万円、基礎控除+10万円でトータルで10万円の増税になってしまいます。
そこで両方で所得の出る人に関しては10万円を限度として、『所得金額調整控除』があります。
この制度は年金をもらいながら働き続ける人への配慮と言えます。

 

 どちらも実際に使うのは、次回の年末調整からとちょっと先なので、年末調整の解説の際に再度解説します。