不動産の買換え制度 ⑤ 買換えできなかった場合

posted by 2019.11.19

3979dbc9772df273c875bf871653fe00_s

 個人事業用買換えをする場合の買換え時期は、譲渡年、前年中、翌年中の3年間という要件があります。

 前年中があるのは、譲渡時期が境界確定など諸々の都合でずれ込むことがあり、先に次の土地を買う場合を想定しているためです(先行取得)。
翌年中に買う予定である場合には、確定申告(譲渡年の翌年3/15期限)の際に見込み金額で申告します。
ただし、大規模開発などにより、翌年中に完成しないケースもあります。その場合は、確定申告時に延長申請をすることで、翌年末からさらに2年間買換えの期限を延ばすことができます。

 

 なお、翌年中に買換え見込みで申請していて、予定通り買えなかった場合修正申告をする必要があります。
期限は翌年末から4か月後の4月末で、同日付けで繰り延べた所得税も納付しなければなりません。

 

 法人の場合もほぼ同じような規定で、譲渡した事業年度、前事業年度、翌事業年度に買換資産を取得すれば圧縮記帳により、損金算入できます。
なお、買換資産を予定通り取得できなかった場合には、個人のような修正申告ではなく、翌事業年度に取り消す(特別勘定を取り崩す)ことで益金算入します。

 

 買換えできなかった場合の是正は、法人の場合は事業年度単位なので見落とすことはないと思いますが、個人の場合は通常の確定申告と異なる期限でもあり、税務署からも何の連絡も来ませんので、うっかり修正申告を忘れることのないよう注意が必要です。