不動産の買換え制度 ① 概要

posted by 2019.11.13

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 近年、不動産市況が活況であったため、不動産を売却された方も多いと思います。
不動産の売却時に利用が検討されるのが「買換え」制度です。
買換えにはさまざまなパターンがあるので、何が使えるか、どのような要件があるのかといった点を整理しておきます。

 

 買換え制度の趣旨は、税額の軽減というより、「課税の繰延べ」です。
不動産を売却した場合に課税されると資金が目減りするため、同じような規模の不動産を次買うための原資が足りなくなってしまいます。
そこで買換えの際の利益を圧縮して課税を先送りすることにより、新たな不動産への移行をスムーズにします。
圧縮された利益は、買換えた不動産を売却した時に課税されます。

 

 買換えの具体的な内容に入る前に、まず譲渡所得の基本を押さえておきます。譲渡所得は次の算式により計算されます。

・譲渡所得=収入金額-取得費-譲渡費用

※取得費
 不動産の購入費、建築費、購入手数料、造成費、取得時の税金など。
手数料や税金に関しては、買った時だけでなく、相続や贈与時における不動産取得税、登録免許税、印紙税、登記費用なども含まれます。
建物に関しては、購入費や建築費等の合計から使用に応じた減価償却費を控除します。

 
※譲渡費用
 仲介手数料、建物取壊し費用、立退料、印紙税など売却のために直接要した費用が含まれます。

 

 次回以降、買換えの具体的な内容について見ていきます。