消費税の納税義務者 ⑥ 固定資産の取得

posted by 2019.06.24

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 消費税の免税判定の6回目は固定資産の取得です。

 消費税は受け取った消費税から支払った消費税を引いて差額を納付する税金です。
建物などの固定資産を購入した場合には多額の消費税を支払うので、売上げに係る消費税を上回り、還付されます。
それ自体は消費税の仕組みが原因なので何ら問題がないのですが、節税に利用されることも多いことから3つの規制が導入されています。

 

① 調整対象固定資産に係る仕入税額控除の調整

 平成元年4月の消費税創設時から導入。租税回避防止と言うよりは3年でならして固定資産に係る消費税の控除を適正化する仕組み。
課税売上割合が著しく変動した場合(購入年と3年平均の比較)と転用した場合(課税事業⇔非課税事業)に消費税が調整されます。

 

② 調整対象固定資産を取得した場合の原則課税3年強制

 平成22年4月に導入。いわゆる”自販機節税”で①の規制をくぐり抜ける節税を防ぐための仕組み。
固定資産購入により控除を受けてから3年間は免税にも簡易課税にもすることができず、さらに①により消費税の控除が調整されます。

 

③ 高額特定資産を取得した場合の原則課税3年強制

 平成28年4月に導入。②の仕組みでも棚卸資産購入や2年経過後の固定資産購入により還付が受けられたため、その抜け穴を防ぐための仕組み。
控除を受けてから3年間は免税にも簡易課税にもすることができず、さらに①により消費税の控除が調整されるのは②と同様です。

 

 それぞれの内容は次回から見ていきます。

(つづく)