昨日の続きで銀行が扱う代表的な信託・相続業務として「遺言信託」「遺言代用信託」「遺産整理業務」について見ていきます。
一言でいうと、「遺言信託」は遺言の預りと執行、「遺言代用信託」は葬式費用などをすぐ引き出せるよう預けるサービス、「遺産整理業務」は相続手続きの丸投げ、となりますがもう少し詳しく見ていきます。
<遺言信託>
① 概要
公正証書遺言の作成をサポートし、遺言の正本を預かります。
相続が発生した場合には遺言執行者として相続手続きを主導します。
② 特徴
≪メリット≫
定期的に照会をしてくれるので状況の変化に対応できることと個人士業に比べると法人として継続する安心感があります。
≪デメリット≫
単に遺言を作る場合に比べ保管と執行に費用がかかり、相続申告費用も別途必要です。
③ 費用
遺言作成:30万円程度
遺言保管:年5~6千円
遺言執行:財産の0.3~2%程度、最低手数料100万円~。
<遺言代用信託>
① 概要
生前にお金を預けておいて相続時にすぐ受け取れるサービス。
一時受取だけでなく5~30年にわたって定期的に受け取ることも可能。
② 特徴
≪メリット≫
相続時にすぐお金が引き出せることと渡し方を指定できることです。
≪デメリット≫
費用がかかることと預かる財産は預金に限られることです。
③ 費用
当初契約時:預金の1~2%
管理手数料:無料
<遺産整理業務>
① 概要
相続が起こってから書類収集、名義書き換え、財産目録の作成を代行するサービス。
② 特徴
≪メリット≫
役所の手続きから戸籍の収集や財産リストの作成まで相続手続きを丸投げできます。
≪デメリット≫
費用が高いことこと相続申告や登記など士業でないとできない手続き費用は別途必要なことです。
③ 費用
財産の0.3~2%程度、最低手数料100万円~。
共通しているのはお金はそれなりにかかるが安心感があり、相続人が楽になる点です。
遺言代用信託は銀行しかできない業務ですが、遺言信託と遺産整理業務は士業(税理士、弁護士、司法書士、行政書士)でも取り扱っています。
士業でしかできない内容もあるので比較検討しながら進めていただきたいですし、お気軽にご相談下さい。