税務調査実況中継 ③初日編

posted by 2016.10.6

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 税務調査実況中継3回目は初日編です。

 

3.初日編

いよいと初日がスタート。
時系列で追っていきます。

 

10:00~ 概要のヒアリング

予告ありの調査の場合は調査官は10時ぴったりに会社に来られます。
予告なしの場合は9時に関係先に同時に入ります。
関係先というのは本店や支店、関係会社だけでなく銀行や自宅にも来られます。
自宅まで来られると「家まで捜査するんか!」とびっくりされますが家を調べたいのではなく社長の居場所を調査開始時に特定したいためです。
任意調査の場合、開始時に社長に会って調査の許可を得る必要があるためです。

予告ありを前提に現場に話を戻します。
10時から12時にかけて会社概要のヒアリングを行ないます。
この部分は社長にしていただきたいので社長には少なくとも初日午前中は会社にいてもらいたいところです。

概要では会社案内や組織図を見ながらヒアリングが進みます。
どんな商品を扱っているか、創業の経緯、関係会社の状況、社員数、売上などを聞かれます。
何気なく世間話をしてるようにも聞こえますがいろんな情報を集めています。


売上や経費などを数字で確認
⇒社長がどの程度経営の数字を把握しているか

稟議書や議事録など社内の書類の整備状況
⇒取引の特殊事情など決算書だけでは分からない社内の生の情報を知るため

部門別の責任者
⇒誰を呼び出して話を聞けばいいのか

 

12:00~13:00 昼休憩

ぴったり1時間ほど昼休憩があります。
なお調査官に食事を用意する必要はありません。
食事を出してもらうことで便宜をはかっては困るので公務員倫理法で禁止されており、昼食を勧めても辞退されます。調査中もお茶を午前に1回、午後に1回出す程度で結構です。

調査官は昼食を会社の人や税理士と合わないようにちょっと離れた店で取られることが多いです。
昼からの進め方も相談していることでしょう。
税理士の方も午前中に依頼された書類を準備しつつ急いで昼食を取ります。

 

13:00~ 調査スタート

午後から本格的に調査開始です。
時間は16時か遅くても17時までです。
少し早く終わるのは17時までに税務署に戻って上司に報告するためです。

まず書類として決算書、総勘定元帳、振替伝票など全体を把握できる法定の帳簿を用意します。
元帳をペラペラとめくりながら気になる箇所に付箋を付けていきます。

一通り見たところで気になる箇所の根拠資料として請求書や契約書などを求められます。

具体的にどんな指摘がよくあるかという点は次回の④2日目編に続きます。