孫養子による相続税節税

posted by 2015.03.5

 昔からある相続対策として”孫を養子にする”というのがあります。

 主な効果は次のようなものです。

① 基礎控除(600万円)が増える

② 生命保険や退職金の非課税枠が増える

③ 超過累進税率が緩和される

④ 一代飛ばしができる

 

一つずつ見ていきます。

① 基礎控除(600万円)が増える

相続税にはいくら以下ならかからないという非課税枠があります。
改正で4割縮小されたのでご存知の方も多いと思いますが、

3000万円+600万円×法定相続人の数

で計算されます。
養子が増えるということはこの法定相続人の数が増えるということです。
ただし無制限に認めると、養子をしまくって節税する人が現れるので人数制限があります。
実子がいれば養子は+1人まで、実子がいない場合で+2人までです。

 

② 生命保険や退職金の非課税枠が増える

生命保険や退職金は相続人の生活を守るためのものであるため、法定相続人の数に応じて非課税枠が大きくなります。
次の式で計算されますが、①と同様に養子の数には制限があります。

500万円×法定相続人の数

 

③ 超過累進税率が緩和される

相続税は財産が多いほど加速度的に税率が上がる超過累進税率が採用されています。
同じ財産であれば、一人より二人、二人より三人で分けた方が相続税がグッと少なくなります。
養子が増えるということはより分散できるため、相続税が安くなります
なお①②と同様、養子の数には制限があります。

 

長くなったので ④一代飛ばしができる、は明日へ続きます。