”でんさい”ってご存知でしょうか。
「電子記録債権」の通称で、手形・売掛債権の事務負担や管理等の問題点を解消する為に新たにできた金銭債権のことです。
これは単に手形や売掛債権を電子化した、というものではありません。
<目的>
中小企業金融の円滑化
<運営>
㈱全銀電子債権ネットワーク(通称「でんさいネット」 )
今年2月からすでに運用開始。
<流れ>
①でんさいネットの記録原簿に電子的な記録を行うことにより債権の効力が発生。
②「でんさい」を決済や資金調達の手段として使用。
< メリット>
支払側
・手形の発行や振込準備等の事務負担軽減。
・印紙税や郵送料が不要になる。
・手形、振込、一括決済など複数の支払手段を一本化することによる効率化。
受取側
・ペーパーレス化により紛失・盗難のリスクを回避。
・管理コストの削減。取立手続きも不要。
・必要な分だけ分割、譲渡、割引できる。
・支払期日に資金化されるので即日使える。
<要件>
・相手先も「でんさいネット」を利用していなければいけない。
・ネットバンキング加入を条件とする銀行が多い。
<今後の展望>
現在はまだ馴染みが薄いものですが、電子申告のようにメリットが認識されて いくと急速に普及する可能性はあります。新規の契約に「でんさい」での決済が条件として織り込まれたり、国や地方公共団体からの補助金や工事代金の決済に「でんさい」が利用されることも予想されます。
秋をめどに銀行が「でんさい」を買い取ったり、「でんさい」を担保に融資する際、公的信用保証制度を利用できるようにする、という動きもあります。
「でんさい」についての取り扱いや手数料等は、各銀行独自で決定することになっています。導入の検討や詳細については、取引先の銀行でご確認ください。