消費税還付申告事件簿

posted by 2017.11.9

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 国税庁によると2016事務年度における消費税の還付申告のうち6867件を調査したところ、802件で不正があったようです。
追徴税額は128億円で前年度の4倍以上と大幅に増加しています。

 消費税は2019年10月に10%への引き上げを控えているだけに不正を見逃すと増税への国民の理解が得られません。
そのため消費税の還付申告に対して重点的に調査しています。

 還付申告に対する追徴として全国でこんな事件がありました。

 

<事件①>

≪内容≫

電気店が訪日外国人に免税売上をしたものとして還付申告。

≪手口≫

実際には訪日外国人には全く売っておらず、取引先と共謀して仕入と買戻しを繰り返す循環取引をしていた。

 

<事件②>

≪内容≫

決算書の仕入・経費より消費税の控除が多い状態で還付申告。

≪手口≫

消費税の計算上だけ架空仕入れを計上
架空仕入れに対応する消費税を出金して不正資金を捻出。

 

<事件③>

≪内容≫

関係会社への人材派遣費の支払いを消費税の計算上控除して還付申告。

≪手口≫

給料では消費税を控除できないため、関係会社を通じた人材派遣費に偽装

 

 上記のような手口は論外として、通常の還付申告でもかなりの確率で税務調査がやってきます。
”通常の還付申告”というのは、①輸出業や免税店、②多額の設備投資、③売上<経費の赤字状態、といったケースです。

 還付申告をしたら調査はあるものとして輸出や設備投資を証する書類をしっかり整備しておきましょう。