前回の続きで遺言執行者が受け取る報酬に関する税金について確認します。
<遺言執行報酬と税金>
・払う側 :遺言執行報酬は亡くなってから払うものであるため、相続税の申告上確定した債務として控除することはできません。
・もらう側:専門家や金融機関が受け取った場合は普通に売上になりますが、相続人などの個人が受け取った場合は「雑所得」として所得税住民税が課税されます。
・サラリーマンや年金受給者で副業の範囲内(年間20万円以下の儲け)であれば確定申告は不要です。
・雑所得と申告する場合、遺言執行にかかった費用は経費として控除できます。例えば通信費などの事務費、交通費、弁護士など専門家に外注した場合の費用などを経費にできます。
<遺言執行報酬 or 財産>
・相続人を遺言執行者にする場合、遺言執行報酬をあらかじめ遺言内で決めておくこともできますし、遺言執行報酬を0にした上で遺言本体の内容として「預金○○万円を相続させる」と書くこともできます。
・前者は所得税住民税がかかり、後者は相続税がかかります。どちらが税金で有利かは相続人の他の所得の状況や相続財産全体の状況によって変わります。
・他の相続人がどういう印象を受けるか、遺言執行報酬の相場として妥当か、といった点もなども考慮してどちらを選ぶか決めていくことになります。