ミニマムタックス課税の改正 ①

posted by 2026.03.11

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 何度か取り上げてきた”1億円の壁”

 所得税は累進課税なので、所得が増えるほど税率は高くなり、最高税率は45%になります(別途住民税10%)。
ところが実際の統計では所得が1億円を超えると税金の負担率は下がっています。
これは株の配当や売却、不動産の売却などは分離課税で税率が20%程度になるためです。
超富裕層の場合は、給料や事業より株や不動産の収入割合が高いため、税率が下がる現象が起こります。

 この1億円の壁を解消するために、令和7年から導入されたのが「ミニマムタックス課税」です。
この制度の適用を受けると、所得が3.3億円を超える部分の税率が22.5%(+復興税率)に上がります。
ただ所得が3.3億円を超える人というのは、そうそういるものではなく、適用を受けるのは1年で200人ほどといわれています。

 

 このミニマムタックス課税ですが、令和8年度改正で大幅に基準が引き下げられ、かつ税率も上がりました。
従来の判定基準3.3億円が半分の1.65億円に下がり、税率は従来22.5%だったものが30%に上がります。
改正は令和9年からの予定です。

 それでも1.65億円で、一般の人にはまず関係のない金額ですが、影響が出てきそうなのがM&Aの場面です。
M&Aで株式を売却する場合、その年だけ売却益が1.65億円を超える可能性が出てきます。
改正で基準が下がることにより、適用を受けるのは従来の10倍の2000人ほどになると言われています。

 

 ちょっと文字ではイメージしづらいので、次回数字を使って影響を検証してみます。