離婚のルール変更と税金

posted by 2026.03.16

rikon_kodomo

 4月に改正民法が施行されることにより、離婚に関するルールが変わります。

<親権>
・「共同親権」が選択可能に

<養育費>
・優先権として「先取特権」を付与(1人最大月8万円)
・「法定養育費」の創設(暫定で1人月2万円)
・執行手続きのワンストップ化

<財産分与>
・請求期間を2年⇒5年に延長
・家裁による財産開示命令が可能に

 

 上記は父母が子どもの養育に適切に関わるための見直しですが、離婚に関連した税金の注意点も確認しておきます(改正に関わらない従来からの取扱い)。

 

① 扶養控除

 扶養控除は、他の人の扶養に入っていないことが条件で、当然1人からしか控除できません。
離婚している場合、どちらの扶養になるのでしょうか。

 

<同居している親>

 日々の生活費を負担しているため、通常はこちらで扶養にします。

<養育費を払っている親>

 厳密に言うと同居は扶養の要件ではなく、「生計を一にしているか」「養育費を継続的に支払っているか」が判断基準になります。
そうすると金額にも寄りますが、こちらで扶養になることもあります。

 どちらもが扶養になると考えて両方で控除してしまうと、市役所から重複している旨の連絡が入り、追徴されることになります。
二重控除を避けるためには、難しいかも知れませんが、コミュニケーションを取って、どちらで扶養控除をするか決めておく必要があります。
なお、「親権」がどちらにあるかは扶養控除に直接影響ありません。

 

② 贈与税と所得税

<もらう側>

 財産分与は夫婦で共同で築いた財産の精算であるため、所得税も贈与税もかかりません。
ただし、離婚自体が偽装である場合や不自然に金額が多い場合は、贈与税の対象となります。

<わたす側>

 渡す側は減るだけでなので、当然税金の対象となりません。
ただし、含み益が発生している不動産や株式については譲渡所得の対象となります。
税金的には、一旦売って現金化してからお金を渡したと考えるためです。
不動産が自宅である場合には、離婚届を提出して法律上他人になってから財産分与すれば「居住用財産の3000万円控除」により、譲渡所得税の支払いを事実上なくすことができます。

<再びもらう側>

 もらった側が将来的に自宅を売ることもあります。
その場合の原価(取得費)は当初の購入価格ではなく、財産分与を受けた時の時価になります。
これは離婚の時点で売買があったと考えるためです。
お金が動いてないので、離婚時点の時価をあとで調べるのは難易度が高くなります。
当事者間でいくらぐらいの不動産を財産分与したかという認識はあると思うので、あとで金額を算定できるようにメモや路線価、売買実例などの資料を残しておきましょう。