ここ数年の不動産価格の上昇により、土地や建物を売却した方が多くなっています。
確定申告での必要書類や段取りについて確認していきます。
1.必要書類
<売却時>
・売買契約書
・固定資産税の精算書
・諸経費の領収書(仲介手数料、印紙代、測量費等)
・登記簿謄本
・3000万円控除など各種特例を受けるための添付書類
<購入時>
・売買契約書や請負契約書
・固定資産税の精算書
・諸経費の領収書(登記費用、印紙、不動産取得税等)
売った時の書類は、最近の話なので当然すぐ出てきますが、問題は買った時の書類です。
下手すると何も残っていないようなケースもありますが、その場合は取得費をどう計算すればいいのでしょうか。
2.取得費
<概算取得費>
取得費が全く分からない場合には売却額の5%を取得費とすることができます。
取得の経緯を確認するにはまず登記簿謄本を見ますが、先祖代々相続している土地や購入時期が戦後すぐといった場合にこの方法を使うことになります。
計算は簡単ですが、売却額の約95%が利益になってしまうため、税額も大きくなります。
≪例≫
・売却額 5000万円
・取得費 ▲250万円
・諸経費 ▲150万円
・差 引 4600万円 × 20.315%(5年超の長期)=約934万円
先祖代々相続している土地など購入額がない場合には約2割の税負担もやむを得ないですが、買ったのに契約書がない場合などはどうすればいいのでしょうか。
(つづく)