所得税の不正還付

posted by 2023.02.8

kamen_warui_businesswoman

 前回、令和4年分から副業などの雑所得の範囲が明確化されたことを書きましたが、副業に関する所得税の不正還付が横行しているという記事が日経新聞に出ていました。

 

 手口としてはサラリーマン(給与所得者)が副業で架空の大赤字を出して、源泉徴収で天引きされている所得税の還付を受けるというものです。
中には源泉徴収票を架空で作成していたケースもあったようです。
不正還付は2022年6月までの1年間で191件あり、重加算税を含めた追徴税額は2億円にも上ります、

 

 副業が雑所得に該当する場合は給与との損益通算ができないので還付を受けることはできませんが、事業所得として申告すれば可能です。
事業所得の赤字が架空かどうかは確定申告書を見ただけではすぐには分かりませんので脱税に成功しているケースもあるかも知れません。
そのあたりの手口を指南役がSNSなどで宣伝して手数料を受け取っていたようです。

 ただし、還付金額が多額、源泉徴収票が手書き、赤字が大きすぎて生活が成り立たないなど不自然な点があれば当然税務調査の対象になります。
架空の源泉徴収票についても法人番号を調べたり、問い合わせをすればすぐにバレます。

 

 SNS上にはたまたままだバレていない事例が載っているかも知れませんが、国税庁としても詐欺に遭っているようなものなので、刑事上の責任追及も含めて今後も厳しく調査していくとしています。