令和5年度税制改正大綱 ④ NISA

posted by 2022.12.22

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 税制改正大綱の4回目はNISAの拡充について見ていきます。

 NISAとは少額投資非課税制度の略称で、上場株式に投資した場合の配当や譲渡益を非課税とすることで運用効率を上げて資産形成を促す制度です。
「資産所得倍増プラン」の目玉として制度拡大と利便性の向上が図られます。

 

1.投資枠の拡大

成長投資枠(旧 一般NISA):年120万円⇒240万円

つみたて投資枠(旧 つみたてNISA):年40万円⇒120万円

 従来は同じ年に一般NISAとつみたてNISAは併用できませんでしたが、改正で併用可能となり、年間上限額が360万円になります。

 

2.生涯の上限額

成長投資枠:5年で600万円⇒生涯で1200万円

つみたて投資枠:20年で800万円⇒生涯で1800万円

・両方合計で1800万円

 生涯上限額については高所得者に際限のない優遇とならないよう設けられるものです。
老後に向けての資産形成の観点から1800万円全部をつみたて投資枠とすることは可能ですが、全部を成長投資枠とすることはできません。

 

3.非課税保有期間の無期限化

・成長投資枠:5年⇒無期限化

・つみたて投資枠:20年⇒無期限化

 一般NISAは5年経つと銘柄の入れ替えやロールオーバーなど手続きが必要でしたが、改正により期限がなくなるので、手間も減り、長期的な視点で投資が可能となります。

 

4.現行制度

・現行制度は新制度と別枠で継続しますが、買付けは令和5年末で終了します。

・ジュニアNISAも令和5年末まで投資は可能ですが、制度自体が令和5年で終了します。

 

 既に投資している人にとっては改正によりメリットが増えますが、新たな層を呼び込めるかどうかは投資教育を含めた周知活動や証券会社等の営業にかかってきそうです。