中小企業において、決算対策で最もよく使われる規定の一つが「少額減価償却資産の特例」です。
決算が近づくと「いくらまで経費になるんやったっけ?」と聞かれることも多いです。
単価30万円未満のもので年間合計300万円までというのが基本ですが、もろもろ注意点もあります。
1.対象者
・青色申告をしている中小企業者(資本金1億円以下の法人や個人事業主)
・法人は大法人(資本金1億円超など)の子会社ではない
・常時使用従業員が500人以下(改正により令和8年4月以降は400人以下)
2.限度額
① 単価
・一点当たり30万円(改正により令和8年4月以降は40万円)
・単価は税抜経理なら税抜きで、税込経理なら税込みで判定
・30万円ジャストはアウト(固定資産に計上)
② 合計額
・年間300万円まで
・設立1年目や事業年度を変更した場合など1年無い場合には300万円を月割り(1月未満の端数は切り上げ)
3.対象資産
〇 有形固定資産(器具備品、建物付属設備など)
〇 無形固定資産(ソフトウェア、特許権など)
✖ 税法上の繰延資産(礼金や負担金など)⇒20万円未満なら一括経費
4.償却資産税
法人税や所得税では30万円まで経費になりますが、1月末までに申告する償却資産税では申告の対象となります。
なお、単価が10万円以上20万円未満である場合には、「少額減価償却資産」か「一括償却資産」のどちらかを選ぶことができます。
「一括償却資産」は経費化するのに3年かかりますが、償却資産税(1.4%)の対象にはなりません。
法人税や所得税で利益が出ていて経費化を急ぐのであれば「少額減価償却資産」、経費化を急がないのであれば「一括償却資産」を選ぶ方が償却資産税の負担も考えると有利になります。
また「一括償却資産」は使い続けても除却しても3年で償却するので管理は楽です。
「少額減価償却資産」はすぐ経費化できるので、法人税や所得税ではその後を追跡しなくてもいいですが、償却資産税の申告では除却など使用状況を把握しておく必要があります。


