物価高が続いて暮らしが厳しくなっている昨今、自宅を活用して資金調達をする方が増えています。
自宅に住んだまま生活資金を確保する手段として「リバースモーゲージ」と「リースバック」があります。
それぞれどんな取引でどのような注意点があるのでしょうか。
1.概要
① リバースモーゲージ
自宅を担保にして銀行から借入をして、死亡時に売却等して借入金を返済する方法。生前は利息のみ支払
② リースバック
自宅を売却した後、買主である事業者と賃貸契約を結んで自宅に住み続ける方法。住んでいる期間は家賃が発生
2.メリット
・自宅に住み続けながら資金調達が可能
3.デメリット・注意点
① リバースモーゲージ
・物件が値下がりすると売っても返済できない可能性がある(ノンリコース型の契約なら売却代金以上の支払いは不要)
・金利が3%前後と住宅ローンより高い。将来金利が上昇する可能性もある
・資金使途が限定される契約もある(住宅金融支援機構の『リ・バース60』は建替えやリフォームに限定されるので老後資金に充てられない)
・子どもなど相続人に自宅を残せない(相続人が現金で完済できれば残せる)
・最初にまとまった資金を受け取る場合は計画的に使う必要がある(限度額の範囲で必要な都度借りる契約もあり)
・リースバックより調達できる金額は少なめ
② リースバック
・家賃が高額で長期間払うと売却額を超えてしまう可能性がある
・定期借家契約だと住み続けることができない可能性がある
・所有者でなくなるので自由にリフォームや設備交換ができない(固定資産税など維持費が不要になるのはメリット)
・単純に売却するより安くなる傾向がある(相場の6~9割)
・家賃も周辺相場より高くなる傾向がある
・子どもなど相続人に自宅を残せない(買戻しはハードル高い)
それぞれ一長一短がありますので、ライフスタイルや将来設計に合わせて慎重に検討する必要があります。