馬主の税金 ②

posted by 2022.07.26

keiba_banushi_hitokuchi

 前回、馬主の税金の扱いを見ていきましたが、馬主になるには一定の条件があります。

 

<個人馬主の条件>

・過去2年の所得が1700万円以上で今後も継続的に見込まれる

・継続的な保有資産の額が7500万円以上

 一般人にはなかなか高いハードルですが、馬主になるには「一口馬主」という方法もあります。

 

<一口馬主とは>

 一口馬主とはクラブと呼ばれる匿名組合を作り、40~500口程度に分割して出資を募集する制度を言います。
出資額は数万円~数百万円と幅広く、血統や厩舎などから選ぶことができます。

 育成費や厩舎預託料などの飼育管理費用は出資者で分割して負担します。
金額はクラブや馬によりますが、年2万円程度からあります。
出資した馬が活躍して賞金を獲得した場合には、出資者で口数に応じて分配されます。

 

<一口馬主の税金>

 分配額の所得税上の取扱いは「雑所得」になります。
個人馬主の場合には規模に応じて「事業所得」になりましたが、一口馬主はあくまで匿名組合への出資に過ぎないため、事業所得になることはありません。
したがって損失が出たとして他の所得と損益通算することはできず、青色申告の特典も受けることはできません。
なお、雑所得内では通算することはできるので、暗号資産や貸付金利子などとは通算は可能です。

 確定申告の際には収入、経費、源泉徴収税額(20.42%)が記載された支払調書がクラブから送られてきます。
この支払調書の内容を転記すれば確定申告は完了するので手続きとしては簡単です。
副業の所得が年20万円以下であれば確定申告は不要ですが、源泉徴収されているので申告することによって還付を受けることも可能です。

 

 一口馬主は節税になる要素は特にありませんが、夢を買うには比較的ハードルが低いので年々増加傾向にあります。