馬主の税金 ①

posted by 2022.07.25

keiba_banushi

 ゲームのヒットや好調な馬券売上げにより活況を呈している競馬業界ですが、馬のセリ市場の一つ「セレクトセール」でも史上最高の売買額を記録しているようです。

 馬主になることは競馬好きの夢の一つですが、税金的にはどんな取扱いになるのでしょうか。
85%と多くを占める個人馬主の場合で見ていきます。

 

<所得税>

① 種類

 事業所得又は雑所得に該当します。

 事業所得に該当すると、赤字が出た時に給与などと損益通算できる、青色申告の特典(特別控除、損失繰越、専従者給与等)が受けられるといったメリットがあります。

 事業所得に該当するためには、独立・反復・継続して営利的に行われるという基本的な条件のほか、競走馬の場合には規模に関して要件があります。

≪保有頭数≫
・年5頭以上(登録期間6か月以上)
・過去3年間2頭以上保有し、かつ黒字の年が1年以上

≪出走回数≫
・過去3年間、毎年競馬賞金等の収入があり、3年のうちに年5回以上(2歳馬は3回以上)出走している競走馬を保有する年が1年以上

 5頭以上保有し、年5回は出走して賞金を稼いで黒字を出すとなるとそれなりの規模といい馬が必要になってきます。

 

② 売上や経費

売上賞金、出走手当、ケガの給付金等

※賞金の源泉徴収
 【賞金-(賞金 × 20%+60万円)】 × 10.21%

経費調教師、騎手等への支払い、輸送費、減価償却費、その他一般経費等

※減価償却費
 耐用年数4年で競走馬登録又は2歳の4月からカウント
 高額な馬でも4年以内で償却できるので節税効果はある方です。

 

③ その他の税金

消費税:賞金も課税売上げなので1000万円以上になると2年後に納税義務が発生します。

事業税:対象業種でないため非課税となります。

 

 なお、馬主になるにも条件があります。
一口馬主の税金も含めて次回へ続きます。