リース取引の会計税務 ① 定義

posted by 2022.06.8

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 リースはコピー機、機械、車などで使われる身近な取引きですが、会計や税務の処理は意外に複雑です。

 今回はリース取引とは何かというところから会計及び税務処理を確認していきます。

 

1.リースとは

 英語で「lease」は”賃貸借”を意味しますが、日本の商慣習の中では「リース会社が、企業が希望する機械や設備を中長期的に賃貸する」ことを意味します。
似た言葉として「レンタル」がありますが、レンタルは期間が短く、対象資産も貸す側がメニューとして提示し、中途解約も可能といった点などで違いがあります。

 

2.ファイナンスリースとオペレーティングリース

① 概要
 「finance」には”金融、資金調達”という意味があり、「operating」には”操作、運用”という意味があります。
イメージとしては「ファイナンスリース」はお金を借りて物を買うのに近く、「オペレーティングリース」は修理も貸し手負担など主導権が貸し手にあり、借り手は使うだけといったところです。

 リース料や対象資産においても違いがあります。
「ファイナンスリース」は資産全体の価値がリース料に転嫁されますが、「オペレーティングリース」はリース終了時の残存価値を見積もって、資産価値から残存価値を引いた部分がリース料の基礎となります。
したがってリース料は「オペレーティングリース」の方が安くなりますが、対象資産は残存価値が見積りやすく、中古市場が発達しているものに限られます。
例えば工作機械、建設機械、情報機器などが「オペレーティングリース」の対象になります。

 

 会計上の区分と税務処理のところから複雑になるので次回に続きます。