春は出会いと別れの季節と言いますが、転職する方も多い時期でもあります。
転職の際によく出てくる話として「有給休暇」のことがあります。
「〇月〇日までは有休消化」という扱いで籍を置きながら出勤しない、というのが一般的ですが、中には「有休買取り」というケースもあります。
① 買取りができるケース
有休買取りは実は”違法”です。
本来会社は有給休暇を取らせることが義務なのにそれができていないためです。
ただし例外があり、次のケースでは有休の買い取りができます(義務ではありません)。
・退職時までに使い切れない
・2年の消滅時効が過ぎている
・法定の有休日数(10日)を超える部分
② 計算方法
次のいずれかの方法による単価で計算します。
・平均賃金(直前3か月の賃金÷日数)
・社会保険の標準報酬月額
・通常賃金(月給なら所定労働日数で割った単価)
③ 社会保険及び税金の取扱い
・社会保険料、雇用保険料ともかかりませんが、賞与扱いとして届出は必要です(年金事務所)。
・所得税は給料や賞与ではなく「退職金」として取り扱われます。退職金には退職所得控除(20年までは年40万円、20年以上は年70万円)があるので所得税がかからないケースが多いでしょう。
有休消化であれば社会保険料、所得税ともかかりますが、有休買取りであればどちらもかかりません。
有休休暇は原則的に違法ではあるものの労働者のメリットにもなる面もあることから例外的に認められています。
とは言え、まずは有給休暇をしっかり取得できる環境づくりが基本です。