生計一とは ① 所得税

posted by 2021.11.8

shiokuri_fuutou

 年末調整の時期も近づいてきたので扶養控除や”生計一”について質問を受けることも増えてきました。

 

1.定義

 国税庁のHPでは”生計を一にする”について次のように説明されています。

日常の生活の資を共にすることをいいます。
会社員、公務員などが勤務の都合により家族と別居している又は親族が修学、療養などのために別居している場合でも、① 生活費、学資金又は療養費などを常に送金しているときや、② 日常の起居を共にしていない親族が、勤務、修学等の余暇には他の親族のもとで起居を共にしているときは、”生計を一にする”ものとして取り扱われます。

<ポイント>
・同居なら基本的に該当(それぞれ収入あっても生活費を共有していればOK)
・別居でも仕送りしている場合や余暇に帰省している場合は該当

 

2.所得税の規定

① 物的控除

 次の控除については生計一親族が負担した金額も含まれます
なお、親族の範囲は6親等以内の血族、3親等以内の姻族なので叔父叔母や甥姪も含みます。

・医療費控除
・社会保険料控除(国民年金や国民健康保険料)
・雑損控除(災害や盗難による損失)

 

② 人的控除

 次の控除については所得金額などの要件もありますが、生計一親族があることが前提条件です。

・扶養控除
・配偶者控除

 

③ 事業経費

 地代や給料は通常は事業をする上での経費になりますが、支払先が生計一親族である場合には財布が同じであることから払っていても経費になりません。
ただし給料については専従者給与の届出をしていれば経費になります。

 逆に生計一親族が所有する不動産の固定資産税や減価償却費、保険料などについては事業主側の経費になります。

 

 相続税に関しても生計一親族の影響があるので次回へ続きます。