離婚と税金 ①

posted by 2021.09.28

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 多いときには年29万件(2002年、1日約800件)あった離婚ですが、直近の2020年では約19万件で前年より7.3%減っています。

 家にいる時間が増えて価値観の違いが明確になる”コロナ離婚”なんて言葉もありましたが、実際には減少しています。
先日朝の番組で父親の好感度が上がっているというニュースを観たんですがそういった影響なのか、あるいは単に離婚の決断を先送りしているのか…。
それはさておき、離婚と税金の関わりについて確認しておきます。

 

1.控除関係

① 配偶者控除

 当然ですが配偶者控除の適用はなくなります。
控除については年末の状況で判定するため、離婚した年から適用がなくなります。

 

扶養控除(16歳以上の子)

 離婚して子どもの親権がなくなったとしても必ずしも扶養控除ができないわけではありません。
生計を一にしていることが要件の1つなので生計を維持するのに十分な養育費を支払っていれば扶養控除の適用があります。
健康保険の扶養が父母のどちらに入っているかは直接は関係ありません。

 なお、父母の両方で扶養控除をしてしまっている場合には後日税務署や市役所から問い合わせがあります。
例えば父が15万円、母が15万円生活費を出していたとすると金額的にはどちらの扶養にもなる可能性がありますが、扶養控除は1人でしか受けられません。
役所としてはヒアリングして決定するというようなことは通常なく「当事者間で話し合って決めて下さい」というスタンスです。

 

③ ひとり親控除(35万円)

・総所得金額48万円以下の生計を一にする子がいる(16歳未満もOK)
・男女問わず
・合計所得金額500万円以下(給料のみなら約677万円以下)
・婚姻歴なくても適用あり
・事実婚の相手がいない

 

④ 寡婦控除(27万円)

<離婚>
・女性のみ
・扶養親族がいる(子に限らない)
・合計所得金額500万円以下
・事実婚の相手がいない

<死別>
・女性のみ
・合計所得金額500万円以下
・事実婚の相手がいない

 

2.所得税以外への影響

① 相続税

 配偶者でなくなることによって相続人でなくなるので相続とは無関係となります。
子どもの相続権については離婚後も変化はありません。

② 法人税

 夫婦で会社を経営していた場合、役員報酬をどうするか、退職金をどうするか、株式を買い取るかどうかなど複雑な問題が発生します。

 

 お金が絡む養育費、慰謝料、財産分与については次回へ続きます。