相続税の税務調査 ③

posted by 2021.08.25

interview

 相続税の税務調査3回目は現場調査での注意点を見ていきます。

 

・聞かれたことだけ答える

 調査官からの質問には聞かれたことだけ答えるようにしましょう。
サービス精神のある方はついつい「実はね…」と追加情報も話されたりしますが、そういう情報が調査のヒントになってしまうことも多々あります。

また即答できない質問に対しては「分かりません」「調べて連絡します」で全然問題ありません。

 

・怒らない

 相続という時点で個人情報だらけでプライベートなことまで突っ込んで聞かれます。
また調査官は疑うのが仕事なので失礼な言い方になることもあります。
腹が立つこともありますが、淡々と答えて早く終わらせるようにしましょう。
さすがに行き過ぎやなという質問や変な誘導があった場合は税理士が注意します。

 

・貸金庫

 貸金庫はモノを入れておくだけなので何が入っているかは本人しか分かりません。
貸金庫に現金や貴金属などを入れる人も少なくないので調査官も注目していて、調査の際に中身を見せて欲しいと言うこともあります。
もちろん本人がいない時に勝手に中を見ることはできませんが、貸金庫の開け閉めの状況は銀行に出向けば調査官でも調べることができます。
例えば税務調査の直前に相続人が貸金庫を開けにきていたら「何か都合の悪いものを出したのかも知れない」と疑われてしまいます。
実際には余計なものを出して整理しただけかも知れませんが、変に疑われることはしないようにしましょう。

 

・一筆取る場合

 調査の終盤になってくると「質問応答記録書」という書類にサインを求められることがあります。
税務調査は録音はできませんし、ヒアリングした内容を調査官がメモしていますが、あくまでメモで証拠能力は高くありません。
そこで調査官が手書きで書いた文書にサインをもらって本人談として証拠書類にします。

 昔の調査では一筆取るときは「隠しておりました。すいません」という内容で重加算税の決め手になるような書類でしたが、最近の調査では基本的には単なる証拠書類としての位置付けです。
ただし隠していることがあとで分かった場合はこの一筆が重要な証拠となります。

もちろん記録書の内容が違っていれば修正を求め、立ち会っている税理士にも変なことが書いてないかチェックしてもらうようにしましょう。

 

 次回は調査に来やすいポイントを取り上げます。