減資の効果

posted by 2021.03.15

tatemono_izakaya

 コロナによる業績不振で減資する大手企業が増えています。

 目的としては、減らした資本金を損失補填に充てて財務の健全化を図る以外に”節税”の狙いもあります。

資本金を1億円以下にすることによって税務上は”中小企業扱い”になるため、税負担は大きく減ります。
中でも大きいのが「外形標準課税」です。

 

 外形標準課税とは都道府県に払う事業税の一種です。
事業税は元々法人税と同様に”儲け”に対してかかる税金でしたが、たとえ赤字であっても何らかの行政サービスを受けているため、企業の規模に応じて負担してもらうというものです。
同じように赤字でも会社にかかる税金として、都道府県民税や市町村税の「均等割」がありますが、その拡大版が「外形標準課税」です。

 

 外形標準課税には、① 資本割 ② 付加価値割 ③所得割 の3つの基準があります、

① 資本割
 (資本金+資本積立金)✕0.525%
 
② 付加価値割
 { (報酬給与額+純支払利子+純支払賃借料)+単年度損益 }✕1.26%

③ 所得割
 所得✕0.495%~1.18%

以前に比べると、①②の割合は高くなり、③の割合は低くなっています。

 例えば居酒屋「庄や」などを運営する大庄の場合、資本金を86億円から1億円に減資しているので、① 資本割の資本金だけで見ても、約4500万円の税負担が減ることになります。

 

 外形標準課税以外にも、資本金で税負担が変わるものは多いので、次回に続きます。