個人年金契約の節税効果

posted by 2020.08.24

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 少し気が早いですが、10月になると保険会社から年末調整用の控除証明書がハガキで送られてきます。
生命保険料控除には「生命保険料控除」「個人年金保険料控除」「介護医療保険料控除」の3つがあります。
「生命保険料控除」「介護医療保険料控除」に関しては加入しているものがそのまま送られてくる印象がありますが、「個人年金保険料控除」に関しては加入していても控除の対象となっていないものもあります。

 生命保険料控除は年間の控除の上限が4万円(平成23年12月31日以前契約分は5万円)で払った保険料に対してそれほど節税効果があるわけではありませんが、『塵も積もれば…』ですので個人年金契約のうち、どんな契約が控除の対象となるか確認しておきます。

 

1.控除の対象となる保険

① 年金受取人:契約者(保険料負担者)またはその配偶者

② 保険料支払期間:10年以上

③ 年金受け取り:60歳以降受取開始かつ10年以上※、または終身

※重度の障害を起因として支払開始する10年以上の定期年金または終身年金も対象

 

2.控除の対象とならない保険

・受取人が子ども
・保険料が一時払い
・5年間の定期年金
・60歳未満で受取開始
変額年金

 

3.節税効果

① 所得税

 平成23年以前契約の旧契約分については、年間10万円以上の保険料で5万円の控除、平成24年以降の新契約分については、年間8万円以上の保険料で4万円の控除が上限となります。

② 住民税

 平成23年以前契約の旧契約分については、年間7万円以上の保険料で3.5万円の控除、平成24年以降の新契約分については、年間5.6万円以上の保険料で2.8万円の控除が上限となります。

③ 節税効果

 新契約で所得税の税率が10%とすると、4万円×10%+2.8万円×10%=6,800円の節税効果があります。
これを30年掛けると204,000円で、所得税の税率が高ければその分節税効果も高くなります。

 

4.注意点

① 固定利率

・加入時の予定利回りで固定されるので、昨今の低金利の状況では利回りは低くなります

・固定金利であるため、インフレになった場合は目減りします。

② 変更によりデメリット

・途中解約すると元本割れするリスクがあり、減額した場合も一部を解約返戻金として受け取ることができません。

・配当金も途中受け取りができず、年金として受け取る際の原資になります。

・契約者貸付が残っている場合、年金受取開始時に精算され、年金としての契約が消滅してしまうことがあります。

 

 注意点を踏まえると、余裕資金でコツコツと掛け続けることができる方に向いている保険と言えます。
物価上昇には対応できないことからあまりに入り過ぎるのもリスクですので、公的年金での不足額から必要額を検討するのが望ましいと言えます。