税務調査の間隔

posted by 2020.02.13

job_zeimusyo_chousa

 あまり来て欲しくない税務調査
一体どれぐらいの間隔で来るのでしょうか。
また一口に”税務調査”と言っても、問い合わせ程度のものから何か月も行うものまでそのレベルも様々です。
昨今の税務調査がどのようになっているか見ていきます。

 

1.税務調査の間隔

① 3年ごと:何か問題があった企業、大企業

 税務調査をする際はあらかじめいつからのいつの期間を調査するかを予告します。調査を受ける企業は資料が必要な期間が明確であるため、準備がしやすくなります。
通常の調査対象期間は3年間なのでしっかり見たい企業には3年ごとに税務調査が来ます。
”しっかり見たい企業”というのは前回調査で何らかの問題があって改善されているか確認したい場合規模が大きくてチェックに時間がかかりそうな場合が該当します。

 

② 5年ごと:通常の企業

 法人税と所得税の時効(更正期限)は5年です。
したがってそれ以上間隔を開けてしまうと問題があっても是正のしようがありません。その意味で標準的な調査間隔は5年と言えます。

 

③ 5年超:赤字企業、シンプルな企業

 赤字であれば調査に来て指摘事項があったとしても税額が発生しないため、税務調査の優先順位は下がります。
また取引がシンプルであったり、支払調書で売上が確認できるなど脱税等の可能性が低そうな企業も税務調査の優先順位が下がります。
このような場合、調査間隔は脱税を指摘できる7年間、あるいはそれ以上、極端な場合は会社設立以来20年以上一度も来ていない、なんてこともあり得ます。

 

④  調査間隔の延長

 資本金1億円以上の法人は原則として国税局管轄になりますが、そのうち資本金40億円以上で特別に調査力を投入する必要がある約500社が特別国税調査官所掌法人に指定されています。
この500社は、いわゆる大企業で上場している会社が多いのですが、税務に関するコーポレートガバナンスが充実していると判定されれば調査時期が先延ばしされます。
具体的には、税務調査の際に「確認票」でコーポレートガバナンスの状況を把握して、ランク付けします。

 確認されるのは次のような内容です。、
・トップマネジメントの関与・指導
・経理・監査部門の体制・機能の整備
・内部牽制の働く税務・会計処理手続の整備
・税務に関する情報の社内への周知
・不適切な行為に対するペナルティの適用

現状では約2割の97社が延長対象となっています。

 

 税務署も人手不足で調査間隔は伸びる傾向にあります。
あまり税務調査には来て欲しくないですが、来たら来たで日々の処理が税務上適正かどうかが改めて検証できますし、調査が済んだ期間については書類を処分できるといったプラス面もあります。