国税庁のチャットボット君

posted by 2020.01.22

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 昨今、AI技術を活用したサービスが普及してきていますが、国税庁ホームページでもチャットボットの試行運用が始まっています。

 チャットボットとは、「チャット」と「ロボット」を組み合わせた造語で、質問者がテキストで質問を投稿すると、AIが自動回答してくれる会話プログラムのことです。
これまでは、税務手続等で疑問が生じた場合、電話相談や税務署の窓口へ訪問するといったことが必要で、税務当局の人員不足や繁忙期の混雑により円滑な対応が難しいという課題がありました。

 そこでチャットボットが試験導入されることとなり、令和2年1月15日から3月31日までの間、令和元年分の所得税の確定申告に関して「医療費控除」や「住宅ローン控除」などの各種控除を中心に、給与収入や年金収入がある方の”よくある質問”に答えてくれます

 

 サイトを開くと注意事項が出てくるので、それに同意するとコメント欄とメニューがでてきます。
メニューは「医療費控除について」「住宅ローン控除について」「確定申告が必要かどうか判定する」「メニューから調べる」の4つでこれは従来のタックスアンサーを簡単にしたようなものです。

 コメント欄がAIなので、ここに質問を入れます。文章にしなくてもキーワードでOK。
例えば『人間ドック』と入れると、関係するQ&Aとして『医療費控除の対象かどうか』という項目などが出てくるので該当するものを選びます。

 コメント欄にトンチンカンな言葉、例えば『ホットドック』と入れると『ごめんなさい…その質問はわかりません。表現を変えてもう一度質問をお願いします。』と返されます。

 このようなやり取りを積み重ねていくことでAIが学習し、正確に答えを返せるようになっていきます
なので何でもフリーで答えてくれるというよりは、適切なQ&Aに導くシステムと言えます。

 今は「へー」というレベルですが、守備範囲を拡大して、答える能力を学習していけば税務職員への質問電話はグッと減るでしょうし、税理士もほぼ要らない、ということもあり得ます。

 

 納税者の方の利便性が高まると共に、「税理士は(AIにはできない)どんなサービスを提供するのか」といったことが問われる時代がすぐそこまで来ているのかも知れません。